演劇週間。ということで、4月30日は「寿歌」と「夢と錯乱」を観てきました。「寿歌」は懇意にさせていただいている奥野さんが出演されているということで見逃せない作品でし た。単純な反戦ものでもなく、強烈なメッセージ性がある作品でもありません。核戦争後の世界もきっとこんな感じなんではないかと思わせる雰囲気でした。救いのない世の中(ケンシロウは出てきません。メシアも出てきません)で、人が生きていく。救いはない。でも、みんな笑って生きていく。神は救いにはきてくれない(登場するヤスオさん(神)はご飯を出すことしか貢献できない)。キョウコもゲサクもどこか狂っていて、正気ではない。いや正気では生きていけない世界にいる。それでも生きていく。そんな人としての力強さを思い出させてくれる作品です。この感想をまた出演者の皆さん、宮城さんにも話してみたいですね。夢と錯乱は、言語化するのがこれほど難しい作品はないと思います。完全なる闇に包まれた会場から始まるパフォーマンス。音響、光、ひとりの役者の動作と台詞。これだけで人を闇の世界を引き込ませてしまう。そんな作品ですね。エゴイスティック、ナルシシズム。人としての闇の部分がなにかそのままえぐりだされたような気持ちです。無意識になにかが入り込んでくるような感覚。間違いなくまた何か自分に変化をもたらしてくれる作品でした。写真は夜の芸術公園です。闇に吸い込まれそうですね。